最近、幼稚園や保育園で悲しい事故のニュースを聞くことが多いですよね。
Pパパも将来保育園を経営したいと思っておりますが、保育の質や地域への貢献など保育園の取り組むべき課題は沢山あるかと思いますが、”子供の命を守る”と言うのはそれ以上に最優先の課題として取り組む必要があると考えてます。
と言うことで、今回は幼稚園や保育園での事故にはどんなものがるのか、またどんな傾向があるのか?統計的なデータを振り返り、更にもう二度と起こしてはならない不慮な事故などもいくつかご紹介し、どうしたらそれらの事故を未然に防げるのか?考えていきたいと思います!
それでは早速見ていきましょう!
参考図書「子どもがすくすく育つ幼稚園・保育園」
こちらは保育士でありジャーナリスト兼大学教授の方と保育士兼弁護士の2名の著者が子供にとって良い幼稚園・保育園と言うのはどんな園なのか?更に良くするためにはどうしたよいのか?を保育の質や施設の安全などの色々な観点から分析、提言している本となります。
事故の傾向など統計的なデータも紹介されており、対策・対応を考える上でも大変参考になりました。
幼稚園・保育園の事故を統計的に見てみる

それでは書籍を参考に、これまでの幼稚園や保育園の事故のデータを見てみましょう。

2004年から2016年までの13年間に亡くなった190人の子どもたちの年齢別の内訳は、0歳97人、1歳56人、2歳15人、3歳6人、4歳6人、5歳5人、6歳5人となっており、0~1歳の赤ちゃんが8割を占めます。次いで2歳が多く、3歳以上はとても少ないことがわかります。また、認可施設と認可外保育施設での死亡事故数を園児10万人あたりで揃えて比較すると、圧倒的に認可外保育施設での死亡事故が多いことがわかります。
また場面別でもっとも多いのが睡眠中、次いで食事中や水遊び中です。約7割は園内での睡眠中に亡くなっています。預けられ始めてから比較的短い期間で亡くなっているのも特徴です。保育施設での突然の予期せぬ死亡の30%が、預け始めから1週間以内に集中しています。突然の予期せぬ死亡(SuddenUnexpectedInfantDeaths=SUID)とは、乳幼児突然死症候群(SuddenInfantDeathSyndrome=SIDS)、寝具や添い寝などにより偶発的に起こる窒息死、原因不明の死を含む概念です。
参考までに0歳児に不慮の事故死のデータも見てみましょう。


0歳児の不慮の事故の内訳は、就寝時の窒息事故が160件(全体の32%)を占めており、顔がマットレスなどに埋まる、掛布団等の寝具が顔を覆う・首に巻き付く、ベッドと壁の隙間などに挟まれる、ベッドからの転落、ベッド上の衣類やクッション等で顔を覆われる、等の状況が確認されています。
このように統計データから、年齢、状況別の事故発生率が分かります。幼稚園、保育園では特に0歳児や1歳児などの年齢が低い子供達に事故が起こる可能性が高く、更に睡眠中、食事中や水遊び中は事故発生度の高い場面となっています。
防げたかもしれない幼稚園、保育園での不慮な事故

次に先ほどの著書の中でご紹介されていた実際に起きてしまった悲惨な事故を振り返りたいと思います。もう二度を行らないように自分への戒めとしたいと思います。
(1)うつぶせ寝による事故
2009年大阪市のラッコランド京橋園で生後4か月の男の子がうつぶせ寝で心肺停止の状態で発見され、その後に死亡が確認されました。当時、男の子は仰向けからうつぶせに寝返ることはできるものの、うつぶせから仰向けに戻ることはできませんでした。
同園では当日17人の子どもたちに対して保育士資格を持たない二人のみが保育にあたっており、そのうち1人は調理室に入ったまま調理作業を、残る一人が保育ルームでの保育とベビールームで寝ている乳児のチェック、受付カウンターでの来訪者の対応、電話対応や掃除布団を出すなどの昼寝の準備、子供たちの寝かしつけなどを一手に引き受けていました。午前11時頃、保育ルームにいた男の子が甲高く以上の泣き声を上げたため、調理室にいた保育士が見に行ったところ、うつぶせ寝でましたをむいて泣いていた男の子を見つけ、保育ルームや調理室からは直接見ることができないベビールームのベビーベッドにあおむけに寝かせ、調理室に戻りました。その後、ベビーベッド上でうつぶせで真下を向いて鼻から血液混じりの液体を出して心肺停止していた男の子が発見され、すぐに119番通報しましたが、死亡が確認されました。
なお、この保育園では大阪市による年一回事前予告ありの立ち入り調査において「過去3年間に渡って保育従事者の数は足りているが、有資格者の配置が不足している」との改善指導を受けていましたが、「求人募集を続けて有資格者を採用予定である」などとして営業を続けていました。
しかし、実際には事故当日のように乳幼児17人程度であれば、保育従事者が二人しか配置されていないことが常態化しており、認可外保育施設指導監督基準の保育従事者の配置を下回った状態で運営されていました。
(2)食事中の誤嚥事故。
2010年愛知県の私立認可保育所で午睡明けのおやつの時間に1歳4ヶ月の男の子がおやつの飲み込みに伴って気道閉塞して窒息し、緊急搬送されたものの、39日後に亡くなりました。
おやつのメニューはラムネ、おもちゃカステラ、スナック菓子、グレープジュース。男の子は午睡から起きてまもなく最初にラムネを食べ、口の中の唾液が少なくなった状態で水分補給せずにカステラを連続して2個かじっていたところ、窒息状態に陥りました。その間、担当保育士はテーブルを立って男の子に背を向けて連絡帳を記入したり、室外へ出るなどしておやつ中の見守りを継続的に行っていませんでした。
本来、食事やおやつの時は保育士は子供がたべものを一度に口に入れすぎていないか、しっかりと飲み込めているかどうかを確認しなくてはなりません。また、午睡の後は体の水分が失われていることが多いため、まず食べる前に水分補給をさせることが必要です。ましてラムネやカステラという口の中の水分が吸収されやすい食べ物を与える場合には、水分補給をしながら食べるように促すことも必要でした。
この保育園では所謂、詰め込み良い保育をしていて規定に満たない保育室面積にもかかわらず、希望があればどんどん乳幼児を受け入れ、更に1歳になったばかりの子供から3歳の子までが一緒のクラスで保育されるなどの問題がありました。1歳から3歳というのは、子どもの発達が急激に進む時期で発達の差が大きい時期です。発達段階の異なる子供たちが一つの部屋に詰め込まれている状況は保育士が子供たちの動静を確認しづらく、事故のリスクが上がることとなります。

(3)熱中症による死亡事故
2005年埼玉県の保育所で当時4歳の男の子が本棚の下段引き戸の中に入り込み、熱中症による心肺停止で亡くなりました。
この保育所では自由遊びの時間には子供たちは廊下やホールで遊ぶのも自由としていわば放任された状態で誰がどこで何をして遊んでいるか全く把握されていませんでした。男の子は一緒に遊んでいた子供たちが証言する「セミごっこ」というかくれんぼに似た遊びをしている間に廊下の死角になる部分に置かれた本棚の下段の引戸の中に入り込んでしまいました。給食準備が始まり、廊下の本棚の周りにいた子供たちも部屋に連れ戻され、それでもお皿が一枚あまっていたことから、担任保育士は11時35分ごろに男の子がいない事に気づきました。しかし、担任保育士は男の子と一緒に遊んでいた子供達に経過を訪ねることもなく、園舎内を簡単に探しただけで、男の子の靴箱に靴があったにもかかわらず、外に探しに行ってしまいました。これは午前中に屋外で男の子の祖母にあったこと、園舎内に入ってから人数確認をしていなかったことから「おばあちゃんについて行ってしまったのかも」と短絡的に考えました。最終的に外部研修から戻ってきた園長が「その男の子は一人で外に出るような子じゃない」と考えて園内を捜索して、本棚の中にいた男の子を発見。男の子はびっしょりと汗をかいた心肺停止の状態で救急搬送されましたが、息を吹き返すことなく亡くなりました。
この後、第三者を含む事故調査委員会が設置されましたが、ここでの意見はいずれももっともで(1)日頃の保育の中で丸一保育士に園内での人数確認や子供の動静を把握する習慣が身についていない。(2)子供も集まるべき時に迅速に集まる習慣が身についていない(3)職員間の指揮系統が明確でない(4)子どもの仲間遊びの状態や関係の変化の把握ができていないなど、を問題点として指摘しています。
子供は自らの行動の結果として生じるリスクを予知する能力が未熟です。このため、子どもの自主性を尊重した「自由な保育」をする場合には子供、一人ひとりの性格の把握、保育者の連携による漏れのない見守りを確保しなければ子供は容易で命を落としてしまいます。
その意味で「自由な保育」は保育者ひとりひとりのスキル、保育者同士のコミュニケーション、役割分担連携が求められる高度な形態なのです。それにもかかわらず、この保育所では正規職員保育士と非常勤職員との間に溝があって引き継ぎを充分に行えていなかったり、正規職員同士の連携が十分でないと言う状態でした。
園での不慮な事故を防ぐための取り組み(案)

上記であげた例はあくまで一部しかありませんが、園側の取り組みや対策で防げたものもあるというのが事実かと思います。
本書を読んでPパパが感じた園の課題また対策(案)についてご共有します。
保育士の数が足りていない(基準を満たしてもまだ足りない)
・国や地方自治が設定する保育士配置基準を満たすのは最低限
・他方、基準を満たしたとしても保育士の休憩、調理、緊急時の対応などで必要な人数を配置出来ないケースがあるため、フリーの保育士を含む基準を上回る保育士の配置が重要
・しかし、配置基準以上の保育士を配置するには資金繰り的に大変困難。園の財政面でどうやって基準以上の保育士の配置分のコストをカバーするか、が課題となる。
上記で見てきた事故事例でももう少し保育士がいれば防げるケースもあったかと思います。国や地方自治体が設定している保育士の配置基準を最低限満たすことは必須だと思いますが、それ以上の保育士を配置することで、事故の前兆を見逃すことなく安全な保育ができると思います。
ただそのためには追加のコストがかかってしまうため、ここをどうやって解決していくか、が課題となります。コスト削減と収入増をどのように行うかですが、、、なかなか難しい課題だと思います。
園内の良好な人間関係、連携が大事
先程、例にあげた事故を見てみると、一人ひとりの能力やスキルに頼らない事故を防ぐ仕組みづくりが重要なことはもちろんですが、その点は園長(Pパパ)の頑張りどころなので必死に頭をひねろうと思いますが、それ以外に保育園内の保育士同士の人間関係が非常に重要ではないかと思いました。
この点に関して、保育士同士のコミュニケーションの場を定期的に設定する等の取り組みもさることながら、やはりいい人材を採用することが重要なのかなと思いました。
自分で言うのもなんですが、個人的にこれまで転職などを行った経験から言うと、いい会社にはいい人材が多く集まり、彼らは自然と良好な人間関係を築いてくれるように感じます。
但し、そのためにはそうした人たちが応募したくなるような労働環境(適切な給与体系、毎日の休憩時間の確保、残業縮小、休暇制度の導入等)を整えることが大事なのかなと思いました。
そうした制度を整えようとするとどうしてもコスト増となってしまうかと思うので、結局、どうやって人材面・保育面以外でのコスト削減、及び、収入増を行っていくのか。。。1点目と似たような問題に出くわしますね。
保育士へのトレーニング

優秀な人材を雇用した上で更に、一人ひとりが危機管理能力を高めて、主体に敵に実践してもらう必要があるので、外部のトレーニングやセミナー受講を導入出来れば、なお良いかと思います。
現場で働く以外に外部で学んで受けた刺激を園内で共有、更に一人ひとりのスキルや意識を高めてもらうと言った取り組みは、普通の企業ではやっていることですし、こうした取り組みを導入して、少しでも事故の起こるリスクを減らす取り組みが重要かと思いました。
ただこのためにもそれだけの資金を確保する必要が。。。
以上、事故を減らすための取り組みとして色々とアイデアは出てくるものの、結局それをするための追加のお金をどうやって生み出すのかという課題にぶち当たりそうです。
う~ん、どうしたら良いんだろう。こちらは今後の課題として更に検討していければと思います。
若干、歯切れが悪いですが、最後まで読んでいただき有難う御座います!
では!また!!
コメント